第35章 いちごどろっぷ
N side
久し振りに触れた翔の唇。
俺は、こんなにも愛してる人から離れようとしていたのか。
そんなの到底無理なのに。
翔のいない人生なんて有り得ない。
チュッ
優しく触れるだけのキス
S 「カズが・・キスしてくれた・・」
自分の唇を指で撫でる翔に
胸が苦しくなる。
「早く元気になって帰って来て。もっと翔に触れたいから。翔を抱き締めたいから」
コクンと頷いた翔はゆっくり目を閉じた。
「翔?」
すぐにスースーと寝息が聞こえてきた。
眠れなかったんだよね。安心したら眠くなった?
可愛らしい寝顔にもうひとつキスを落とし、俺は病室を後にした。