第16章 Do not come out of a dream
『あのっ! 待ってください! ……じゃあこれ……持って行ってください。
和也くんに……』
『ありがとう。 … 任せてください。何か和也に伝言はありますか?』
『いえ……… あの、これはドイツに行っていた時に大会で優勝したものなんですけど………
和也くんをイメージして作ったもので………』
智の催促しているかのような表情に思わずそう話だした。
『へえ~。 やっぱりちゃんと想っていてくれてたんですね。和也のこと。』
渡したチョコを見てまたも嬉しそうにキラキラの瞳を向けてくる智を見てまた静かにため息をはいた。
『いいんでしょうか……。 いや、もちろん今までも忘れた事なんてなかったですし、
これからも、和也くん意外の人なんて現れない位……
それくらいの気持ちではいるんですけど……
でもやっぱりまた同じ事で和也くんを傷つける事はしたくないんです。』