第15章 言えない口
夕方…私は1人縁側で肩を落として座っている。
沖田さんに掴まれた腕を見ると掴んだ手形が赤く残っていた。
(これだけ強く掴んだって事は本当に嫌いなんだろうなぁ…)
胸の携帯が鳴る
"パカ…"
開くと山崎さんからだ。
(そう言えば沖田さんが私に向かってきた時…
誰も助けてくれなかった…本当は皆…私のこと……)
みわ
「もしもし…」
一応、電話に出た。
山崎TEL
「食堂のおばちゃんから寝込んでる隊士らの粥ができたから配膳してほしいって連絡来たんだけど…お願いできる?」
みわ
「はい…分かりました…」
私は電話を切ると、
食堂へ向かった。