第12章 交わり
斉藤
「どうした!?」
冷静な終の声が私に降りかかる。
みわ
「!!」
(た、助かった!!!)
私は安心して顔を覆っていた手をどかす。
そこには…
赤い着物を着た女はもうおらず、
心配そうな表情をした終さんがいた。
みわ
「た、助かった……」
ホッと胸を撫で下ろしていると…
"バサッ"
みわ
「!(´⊙ω⊙`)!ワォ!」
終が私をたくましい腕で抱き寄せた
斉藤
「大丈夫!?痛いとこないか!?何もされなかったか!??」
私を抱きしめながら優しく背中をさすってくれている。
みわ
「…大丈夫だと思います////」
斉藤さんの胸の中にいる私は今…
小動物のようにジッとしている。
斉藤
「この前も…今日の大広間でも…今だって守ってあげられなくてごめん…」
終の声が震えている
みわ
「…女中の為に…隊長さんが泣いたら駄目ですよ……」
私の頭の中にある数々の言葉の中に……
今の終さんにかけられる上手な言葉がこれ以外に見当たらなかった。
斉藤
「女中の…為なんかじゃない…お前の為に泣いてるんだよ」
(私の為に…)
終はそう言うと私をゆっくり布団に押し倒した。
みわ
「……」
斉藤
「……」
私は終さんの目を見つめる。
終さんも私の目をジッと見つめて離さない
緋色の瞳が不思議な色気を帯びて私の身体の
深いところが敏感に反応している。
斉藤
「…なんで抵抗しないの」
(抵抗?)
斉藤
「俺のこと嫌じゃないの?」
そう言うと終さんは私の返事を聞かずに
顔をぐっと近付けてきた。
みわ
「…嫌だったら声…出してますって。」
私は照れ隠しで笑ってみせた。