第12章 交わり
"バサッ"
終さんは焦りだしたと思ったら
布団から起き上がり…
部屋を出て行ってしまった。
みわ
「…また急用?…大変だなぁ……」
私はガッカリしながら終さんがいた場所に移動してみた…
(あったかい…)
温もりが残っている。
(この布団で終さんいつも寝てるんだよね……)
そう考えるとなんだかドキドキしてきた。
やっぱり兄と肩を並べて寝ていた時とは違う…
(ど…どうしよう……急に恥ずかしく……)
"ガタガタガタガタガタガタガタガタ"
みわ
「きゃっ!??」
そんな事を考えていたら、
部屋の戸がガタガタ音を出しながら揺れ始めた。
(ポ、ポルターガイスト!!?それとも風が吹き込んできて揺れてるの!?)
"ガタガタガタガタガタガタ"
いっこうに戸の揺れがおさまらない
みわ
「あの…どなたですか……」
私は布団の中から戸の向こうにいる何者かいや…ポルターガイストに話しかけた。
"ガタ…"
すると…戸の揺れがおさまった…
(お酒でも飲んで酔っ払った隊士さんのイタズラかな?)
そんな風に呑気に考えていると
戸がスゥーと静かに開けられた。
みわ
「?」
開けられた向こうを見るとそこには…
さっき見かけた赤い着物を着た女が逆さまに浮かびながら
恨めしそうに私を見ながら近づいてきた。
みわ
「キャーーーッ!!!」
(幽霊!!ついに幽霊見ちゃった!!!)
私は度胸がないから長く直視出来ず
両手で顔を隠し視界を完全にシャットダウンした。
"カチッ"
女は私に近づきながら何故か部屋の灯りを消したようだ。
みわ
「来ないで…来ないで!!!」
とにかく一生懸命叫んぶ……すると….
"バタバタバタバタ"
誰かが私のいるこの部屋に向かって走ってくる足音が聞こえてくる…
(だ、誰でも良いから助けてーー!!ヒィーーーッ!)