第9章 小雨
叫び声がした部屋の前にやって来たのは良いけど、
戸を開ける勇気が出ない…
だから私は……
拷問事件以来…少しだけ仲が良くなった斉藤さんに助けを求めに走った。
みわ
「ハァハァハァ…」
"トントントントン!!"
みわ
「斉藤さん!斉藤さん!た、た、助けて!!!」
(私は出来る限り大きな声を出しながら戸を叩いた)
すると…
"ガタガタガタガタ"
すぐに戸が開き斉藤さんが出て来てくれた。
そして手に持っていたノートに何かを書き私に見せた
ノート【どうした!?】
みわ
「あの!!隊士さんの寝所を掃除していたら近くの部屋から悲鳴が聞こえてきたんです!
でも私1人で確認するのが怖くて……
一緒に確認してもらっても良いですか?!」
斉藤
「……」
ノート【よかった…アンタ身に何かあったのかと思った…よし行ってみるか。】
#NEME1#
「ありがとうございます!」
(斉藤さんて一見怖そうに見えるけど…優しい人なんだよね…)
斉藤さんを先頭に
私は後ろに隠れるようにしながらその部屋に向かった。
みわ
「ここです…この部屋です……」
例の部屋の前に付く
斉藤
「……」
ノート【アンタさ危ないからここで待ってて。】
みわ
「はい…」
斉藤さんは私の返事を聞くと戸を開け中へ入っていった。
(悲鳴をあげた人…大丈夫かな……)
心配しながら言われた通り廊下で待っていると、
斉藤さんが普通に出て来た。
みわ
「あの…悲鳴をあげたひと大丈夫でしたか?」
斉藤
「……」
ノート【よく分からないけど気絶してた。】
みわ
「気絶!?」
私は心配になって部屋の中を覗いてみると、
夜勤明けで寝ていたであろう隊士さんが入り口近くで気絶していた。