第43章 身内
完
「許してくれ……」
完兄さんが俺に頭を下げてきた。
姉
「ちょっ、ちょっと!完!!」
急に焦り始める姉さん
終
「姉さんは黙っててよ」
煩い姉さんを睨みつけた。
姉
「な、何よ!その目……」
俺に睨みつけられて黙る姉さん
完
「…満がカナタに頼んだんだ…」
満というのは俺の姉の名前。
満
「完!!」
終
「……」
完
「お前も知ってるだろうけど、
満は…菜種と一緒になって欲しかったんだよ…
小さい頃からお前と一番仲の良かった菜種と……」
満
「そんな女の何処がいいのよ!!
終には菜種が居るでしょ?
今からだって遅くないわ!!菜種と…」
興奮する姉さん
俺の隣で戸惑っているみわ。
(みわの事だから…自分が悪いとか思ってるだろな)
こんな状況なのにみわの事で頭がいっぱいだ。
母
「やめなさい!満!!」
母さんの声が部屋に響く
母
「満…あなた何かしたのね…」
満
「私は……菜種ちゃんと一緒になって欲しかっただけよ。
何年も何年も健気に待っていたのを知っているから……」
みわの手が震えている。
終
「俺はみわを嫁に選んだ
その選択を認めて欲しい…」
菜種
「…終……」
満
「……」
母
「…正直….認めたくないけれど…
その…無理やり引き裂いたら孫が可哀想よね……」