第32章 灯火
私はバケツと雑巾やゴム手袋を持っていくと、
洗面所の床に血が垂れて汚れていた。
(血?)
血は洗面所を抜けた先にある隊士さん達専用の厠へ向かって点々としている。
(入ってみよう。)
"ガラガラガラ…"
厠の扉を開けて中へ入ると奥の個室に向かって血が点々とある
みわ
「大丈夫ですか?」
私は奥へ奥へと進んでいく……
一番奥の個室に居たのは篠原さんだった…
背中を斬られているようで血だらけで倒れていた。
みわ
「篠原さん!?篠原さん!!?しっかりして下さい!!」
篠原
「…佐藤さん……」
私は床に膝をつき、
壁にうな垂れている篠原の手を握る
みわ
「いま、救急車呼びます!!しっかりして!!」
私は胸元に入れていたケータイを取り出して電話をする。
みわ
「緊急です!!」
私は電話を早めに済ませ、
グッタリしている篠原さんの上半身を抱きしめるように支える。