第7章 嫉妬
「おい、お前どこまでいくつもりだよ」
「うちの家じゃだめ?」
「あぁ…いいけど。」
目を合わせるのが怖かった。
ピクリとも笑わないあいつの顔を見たくはなかった。
「寒くない?」
うちの息は白かった。
「寒くない。」
うそつけ。
鼻が真っ赤なのに。
「お前の家、誰もいねぇのか?」
「うん。」
もう12月…。
マフラー、コート、手袋をしていてもやっぱり帰り道はつらい。
ガチャッ…
「お邪魔しまーす…」
「だから誰もいないってば。」
うちの家の匂い。
安心感を覚えた。
階段を上り、ほとんど何もないうちの部屋にあいつを入れた。