第6章 バレンタイン
―晃said―
「か、かんな!?」
後ろにいたのは神菜だった。
「あ、あのさ…。」
「なに?」
どうせ幸弘がなんちゃらだろ…。
「ここここれ!!」
神菜はリボンのかかった箱をオレの前に差し出した。
オレに…!?
まさか。ありえーーーん!!
「なんだ?これ。」
動揺で頭が白紙だ。
「えっ?」
何故か神菜は驚いたような顔をした。
「これ、どうしたんだよ?」
神菜が持ってる箱を指指しながら言った。
「…。」
「か、神菜?」
「あきら。」
「な、なに?」
「本気でいってんの…?」
こいつ、怒ってるのか!?
「なに、怒ってんだよ!!」
「怒ってないし!!!もういいーー!!」
神菜はリボンのかかった箱をしまい、走り去ろうとした。
「ちょちょちょちょい待てよ!?お前どうした??」
オレは訳もわからず、神菜の腕を掴んだ。
「…。」
「神菜…?」
「あきらの…」
「んっ…?」
「あきらのバァァァァアカーーー!!」
「はっ!?」
えっえっえっ??
オレめっちゃバカって言われた!?
しかし、神菜はまたリボンのかかった箱をトートバッグから取り出し、
「これ、ゆっきーに渡しといて!!」
と、言った。
こいつーーー!
オレの気持ちも知らずに…!
「じゃ、バイバイ!!」
荒い口調で、今度こそ走り去った。
なんだよ。
結局幸弘のこと好きなのかよ…。
「かんなのバァァァァアカーーー!!」