第4章 ケータイ
窓辺を眺めていたら、ふと時計が目に入った。
げっ、もう6時半!?
9月。
秋っぽくはなってきたけどこの高校にはまだ暑さが残ってる気がする。
…って、こんなことしてる場合じゃないーー!
ケータイ探さなきゃーー!
あたしは
廊下を全速力でゆうちゃんがいる教室に走った。
ガラガラッ
「あ、あゆむーケータイあった?」
ゆうちゃんが机に座り、スマホをのんびりいじっていた。
「な、なかった…。」
ハァー… 悪用されてたらどうしよ。
「あゆむ、悪いけど今日彼氏と会うから先に帰ってていい?笑」
「えーー!ひどいよ~」
「こんどなんかおごるからさ!お願いっ!」
「じゃあ…クレープねー!ぜったいだかんね!」
「ハイハイ、じゃあ帰るね~」
「ばいばーいー」
ハァ…。
なんか孤独感増すな…。
あ、ちょっと待った!
あたしは教室を出たばっかりのゆうちゃんを引き留めた。
「ゆうちゃん!ちょっと待ったー!」
「な、なによ?」
「10秒に一回はあたしのケータイに電話してねー♪」
「ったく…。気が向いたらしとく。」
「気が向かなくてもして下さいぃー!」
「わかったわかった笑 じゃ、ばいばーい」
笑いながらゆうちゃんはまた教室を出た。