第2章 帰り道
「ハァッ…ハァ…」
やっとあたしに追いついた雛子は息を切らし相当疲れていた。
「雛子…どしたの?」
少し遠慮がちにきいた。
「ごめん!遥香と七海に聞いたの!」
「えっ…?」
雛子が謝ってきた!?
「あたしの勘違いだったんでしょ?」
あぁ…あのことか…。
「そうだよ。あたしがFacebookに雛子のこと書くわけないじゃん!」
「智穂、まぢごめん…」
なんだろ…心が温かい。
「雛子…」
「なに?」
「さ、寒いから帰ろーぜぇー!笑」
あたしは雛子のリュックをバンッと叩いた。
「あーもううっせー!笑」
あたしと智穂は笑いながら帰り道をゆっくり歩いた。
そのことがあってから、もう二度と、チャリ王子に会うことはなかった。
―end―