第2章 帰り道
雛子にだけはあのチャリ王子のこと教えようかな?
…いや、でも誰かに言っちゃうともう会えなくなっちゃうような気がして…。
ああ゛ぁーーでも言いたくてウズウズする!!
眉間にしわを寄せて考えていると、
「智穂ーっ あたし今日部活長引くから先に帰ってていいよ」
そういって雛子が顔を覗きこんだ。
「あっホント?りょーかいー」
…また一人か、チャリ王子に会えるといいな。
枯葉。
小学生。
おばさん。
……。
緩やかな坂道にはそれ以外になにも訪れなかった。
今日はいなかったか…。
昨日より学校出るの遅かったもんな。
少し沈んだ気持ちで家まで歩いた。