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【刀剣乱舞】ふたつの本丸

第14章 番剣


その反応に違和感を覚え、加州は庇うように隠された右手を見つめる。

加州「主。手、もう繋がなくていいの?」

「あっ、うん。もう平気かなって、、」

加州「そっか。じゃあ、繋がなくていいから見せて?」

「えっ、あの、、」

違和感は直ぐに確信に変わった。

加州「主、ちょっとこっち来て。」

加州は目についた階段へと七葉を連れていく。
動く階段があるからか、普通の階段には人気が全く無かった。

「加州?」

七葉は、あっという間に壁際に追い込まれる。

加州「手、見せて。」

逃げ場がない事に観念して差し出された手首は、痛々しいほどに真っ赤になってしまっていた。

加州「これ、、」

掴まれただけでは、こうはならなだろう。

「、、、気持ち、、悪くて、、」

やっと吐き出された本音に加州は七葉を抱き締める。
主は自分を避けた訳ではなく、触られた不快感から逃れてようとしていたのだと。

加州「こんなになるまで、手、洗ってたの?」

そっと触れると、痛むのか七葉は一瞬目をつぶる。

「だって、感触が消えなくて、、」

その後見つめられた瞳は、潤んでいて苦しそうだった。
あぁそうか、主は甘え方を知らないから何でも独りで耐えてしまおうとするんだった。

加州「主、忘れる方法あるよ。」

加州はそう言うと七葉の手首に唇を寄せる。

加州「消毒、してあげる。」

そのまま舌をはわせ口づけると七葉が甘い声を漏らす。

「あっ、やぁ、、加州ぅ、、」

加州「可愛い、主。」

真っ赤になった主を見つめ、加州は愛おしそうに頬笑む。
このまま俺の事で、いっぱいになればいいのに。
加州はそんな事を思いながら、しばらくの間七葉の手首に口づけるのであった。
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