第12章 現実に来ちゃった
加州「、、また?主は、三日月と会った事があるの、、、?」
「うん。」
それっきり悲しそうに沈黙してしまった七葉に、加州は恐らく自分には立ち入れない何かがある事を察し、それ以上聞く事をやめた。
加州「あーぁ、嫉妬してたらお腹すいちゃったよ。」
加州の言葉に七葉は自分がお弁当を持ってきた事を思い出す。
「あっ、幕の内買ってきたよ!」
あからさまに話題を変えてくれた加州に感謝しつつ、自分も精一杯明るい声で返事をする。
「ちょっと、温めなおしてくるね。」
すぐに部屋を出ていた七葉を見送ると、加州は盛大なため息をついた。
加州「何やってるんだろう、俺。」
主にあんな顔をさせるつもりはなかった。
ただ、焦りから嘘でも自分が一番だと。
その言葉が聞きたくて、わざと意地悪をしたのだ。
加州「ちゃんと俺のもあったのに、、、」
加州は閉じていたもう片方の手を開く。
そこには加州清光のストラップがあった。
加州「そっか、主は三日月宗近を探してるんだ。」
思い人になれないなら、せめて主が一番頼りにしたい刀に。
加州はそんな事を考えてながら、七葉が戻って来るのを待つのであった。