第12章 現実に来ちゃった
目覚めると、自分の部屋の天井が見えた。
どうやら今回は現実に戻ってこれたらしい。
昨日の夜加州とあんな事があったばかりだから、しばらく顔を合わせずらいしある意味良かった。
七葉は、そんな事を考えながら起き上がろうとして、体にかかる重みに違和感を感じる。
「え?」
振り向くと、そこには加州清光が寝ていた。
どうやら今回は、加州も連れて戻ってきてしまったらしい。
「加州!加州!、起きて!」
慌て加州を起こすと、加州はまだ眠そうに目を擦ってあくびをする。
加州「ふぁわ、、おはよう、主。どうしたの?朝っぱらから、、」
加州はそう言うと、再び七葉を抱き締め直しそのままベッドに倒れこむ。
「わっ、ちょっ、寝てる場合じゃないから!まわり、まわり見て!」
七葉の必死な訴えに、加州はちらりと横目で辺りを見る。
加州「、、、、ここどこ?」
「私の世界、、、。」
加州「え?」
まさかの逆トリップに2人して固まる。
加州「俺、疲れてるのかなぁ~。こんな夢見るなんて。」
「いやいやいや、夢じゃないから!」
現実逃避して、再び眠りにつこうとしている加州を叩き起こし時計を確認する。
8時20分、、、
後10分で家をでないと遅刻する。
「わ、わ、わ、わ、、、」
七葉は、未だ状況が掴めていない加州を廊下に追いやり、即効で身支度を整えるとラップでおにぎりを2つ作り、走り回る七葉の後をついて回っていた加州に1つを渡した。
「これ、朝御飯ね!トイレ、、じゃなかった、厠はそこ!昼には帰るから絶対家からでないで二度寝でもして待ってて!」
七葉は、それだけ言うと足早に玄関から出ていってしまった。
加州は七葉が出ていった扉を唖然としながら眺めつつ、透明な包みを開けて渡されたおにぎりをかじる。
加州「、、しょっぱい。」
慌て握られたおにぎりの塩加減はなんともいい加減なものだった。