第9章 薬の効果?
「ん~変わらないかな。」
乱に言われ足を動かそうとしてみるがやっぱり力が抜けていて上手く動かせない。
薬研「とりあえず、筋肉痛と精神疲労、緊張を解す薬効のある薬草を煎じて来たが、痛むなら鎮痛剤の注射もある。」
薬研は粉薬を渡すと、注射器を構えて見せた。
「いっ、痛くないから、、注射はいらない!かな、、」
薬研「大将、まさか注射が嫌だからって嘘ついてないだろうな?」
明らかに動揺した七葉に、薬研は疑いの眼差しを向ける。
薬研に睨まで思わず目をそらすと、加州が助け舟を出してくれた。
加州「主が注射が嫌なのはまるわかりだけど、薬研が来る前も痛みは無いって言ってたからそれはホント。」
加州の言葉に必死で頷く。
薬研「わかった。しかし意外とお子様なんだな、大将。」
薬研はそんな七葉をニヤリと笑う。
加州「それで、原因とかはわかんなかったの?医学書とかそうゆうの手入れ部屋にもあるんだろ?」
加州の質問に乱が答える。
乱「それがさぁ~、薬草や効能が書かれた図鑑はあったんだけど病気の種類や治療法の本はまだ見つからなくて。」
薬研「まぁ、痛みもないならやっぱり神力の使いすぎじゃねぇか?こっちでの手伝い札や顕現は思った以上に消費するみてぇだし、審神者になって日が浅い大将に2振りはまだキツかったのかもな。」
薬研はそう言って立ち上がり七葉の頭を撫でる。
薬研「悪いな大将、無理させて。」
優しい声と切なそうな顔に胸が苦しくなる。
「薬研が悪い訳じゃないよ!」
精一杯はげますように言うと、薬研の表情が和らいだ気がした。
薬研「兎に角、俺っちはもう少し手入れ部屋をあさって来るから、とりあえず大将は大人しくしてろよ。」
「うん。」
薬研「そういや、今日の近侍は加州の旦那か?」
加州「いや?今日は、、」
五虎退「僕です。」
それまで黙っていた五虎退が返事をする。
薬研「そうか。じゃあ五虎退は大将についていてやるといい。あまり大人数でいると休むに休めないだろうが、1人も不安だろうしな。」
薬研はそう言うとそのまま部屋から出ていってしまった。
加州「じゃあ、俺と乱は今日の内番こなしてくるよ。」
乱「内番?まだ馬とか来てないんじゃない?」
乱は不思議そうな顔をする。
加州「馬がいなくても鯉とか鶏とか色々あるの!」