第8章 個性豊かな兄弟達
薬研「その声は、五虎退か?」
五虎退「はい、、えっと、久しぶりです。」
七葉の後ろにいた五虎退は、薬研に呼ばれて近づいていく。
薬研「あぁ、元気にしてたか?」
薬研が優しい顔で五虎退の頭を撫でてやると、五虎退は嬉しそうに笑って返事をした。
五虎退「はい!」
薬研「で、そっちのあんたが大将か?」
「うん!これからよろしくね、薬研!」
薬研「あぁ、よろしく頼む。」
差し出された手を握り握手をしていると、さっきの桜吹雪で状況に気づいた2人がやって来た。
乱「あ~五虎退!それに薬研も~!」
乱は兄弟に駆け寄ると、五虎退に飛び付いく。
五虎退「み、乱兄さん、、苦しい、、」
薬研「相変わらずだな、お前。」
呆れている薬研に、加州が近づく。
加州「俺、加州清光。この本丸の初期刀。」
薬研「あぁ、薬研藤四郎だ。」
加州「なぁ、アイツいつもアレなの?」
薬研「すまん。止めてはいるんだが刀の特徴がな。」
苦笑いする薬研に呆れている加州。
楽しそうに頬ずりする乱にもがく五虎退。
この本丸も賑やかになってきたなぁ~と皆に近づこうと一歩踏み出すが何故か足に力が入らずそのまま膝から崩れ落ちる。
加州「主!?」
倒れた音に、加州達が駆け寄って来た。
「へへへっ、何か力が抜けちゃって、、」
立ち上がろうとしても立てない状態に、七葉はへたったまま笑って誤魔化そうとするが、その様子に薬研が膝をついてかがむ。
薬研「大将。今日、何振り顕現した?」
「え?何振りってまだ2振りしか、、」
薬研「体調は?」
「特に?ちょっと寝不足なくらい?」
というか、正確には夢の中で現実に戻ってしまったから正直寝た記憶がない。
いや、寝てたら記憶がないのは普通なんだが。
などと考えているうちに、気が付くと薬研の顔が近づいてくる。
「や、薬研!?」
七葉は、てっきりキスされると思いギュッと目を閉じたが、触れ合ったのは唇ではなく額だった。
薬研「熱は、、ねぇな。って、何だ大将?口づけでもされると思ったか?」
「なっ、違っ!!」
図星をつかれ慌てて否定すると、薬研はそれをわかった上でニヤリと笑った。
薬研「そうか、そいつは残念だ。」
薬研の言葉に固まっていると、加州が横から心配そうに覗きこんでくる。
加州「主、本当に大丈夫?」