第7章 お庭探索
果樹園の隣には、鶏小屋と馬小屋がある。
鶏は卵とお肉という重要な食材だ。
加州「これも当番が必要だね。」
五虎退「あっ、虎さん待って、、、」
見ると五虎退の回りの虎達が柵の回りに集まっている。
子猫に見えてもそこは猛獣、やはり野生の本能が騒ぐのだろう。
「柵があって良かったね。」
加州「ここも五虎退は無しで。」
そんな話をしながら加州に卵も2つとってもらっていると虎達を確保した五虎退が戻ってくる。
五虎退「うぅ、、すみません。」
「大丈夫だよ!他の仕事もあるから分担してできるところをやろう。」
加州「そうそう!大所帯になる予定なんだから、動物、得意なヤツがやればいいって。」
半泣きの五虎退を励ましながら馬小屋へと向かう。
しかしなぜか、馬は一頭もいない。
「加州、馬は?」
加州「あぁ、あれは褒賞だからもらえるまでは来ないよ?しばらくは、内番、鯉と鶏だけかもねぇ。」
本編にいないけど!と笑っている加州に、さっきまで泣きそうだった五虎退がそわそわしながら話しかける。
五虎退「あの、、加州さん。、、でも、何かいるような、、、」
加州「え?」
見ると一番奥の柵から尻尾のような物が見えた。
加州「うそ、こんなに早く馬もらえるなんて、、」
不審に思いながら皆で恐る恐る近づくと、そこにいたのは、、、
「牛~~!!」
まさかの乳牛の登場に、思わず叫んでしまった。
内番に牛の世話が追加っと(笑)
馬小屋を出て少し進むと道場があり、その隣の長い囲い塀の中はおそらく温泉だろう。
直接汗を流しに行けるよう、道場からの通路と出入り口も設置されている。
道場を覗くと、中は学校の剣道場のような作りになっていて、壁には竹刀や木刀がかけられていた。
加州「いいじゃん!いいじゃん!これだけ広ければ、それなりの訓練ができるよ。組み打ちとか紅白戦とか! 腕が鳴る。」
嬉しそうな加州とは対照的に、五虎退はちょっと苦手そうだ。
「五虎ちゃん、無理はしなくていいからね。」
五虎退「はい。、、でも、ぼくだって、あるじ様を守れるように頑張ります。」
五虎退は、胸の前でぐっと握りこぶしを作ると、密かに決意を固めているのだった。
北側はほぼ温泉で、東も物干し竿がある広い空間だけだったので、引き返して厨と鍛冶場の裏で資材や薪を確認しそろそろお昼だし、と中に戻る。
