第4章 初陣
「加州は、、私が、加州が心配してくれるなら病気になってもいいって言ったら嬉しい?もしかしら、死んじゃうかもしれないけど、愛してくれるなら、それで幸せだって言ったら嬉しいって思うの?」
七葉の言葉に加州の表情が強張る。
加州「ごめん、、。俺、主が心配してくれたのが嬉しくて、主の気持ちとか、全然考えてなかった。」
やっと内容を理解した加州は、今度は正面から七葉を抱き締めて、真剣に謝ってくれた。
加州「ほんとにごめん。」
「わかってくれたなら、もう良いよ。」
だから病気にならないで、と不安そうな加州を例えばだから!といいながら引き剥がそうとしていると足元にこんのすけがやって来た。
こんのすけ「やれやれ、心配して参りましたが、仲直りはできたのですね。」
「うん。」
本当に何から何まで気がきくマスコットに感謝の気持ちで言葉もでない。
こんのすけ「それは何よりです。それでは、私はこれより別の本丸へ様子を見に行かなければなりませんので。」
こんのすけはそう言うと後ろ足で立ち上りペコリとお辞儀をした。
「ありがとう、こんちゃん!またいつでも来てね♪」
こんのすけ「はい!このこんのすけ、主様のご用とあれば、いつでも馳せ参じます!」
こんのすけは嬉しそうに返事をすると、縁側から飛び降りて、そのまま掛けていった。
加州「まったね~」
加州と並んで、こんのすけを見送る。
するとこんのすけが小さくなったころ、加州が耳元に唇を寄せてきた。
加州「やっと、2人っきりだね。」
「!!!」
囁かれた言葉に慌てて加州から距離をとる。
加州「あははっ!そんなに警戒しなくても、まだ何もしないよ。」
笑っている加州に、まだってなんだまだって!と心の中で突っ込みをいれる。
困惑していると加州はニコニコしながら、俺内番着に着替えて来るね~と自分の部屋に行ってしまった。
「ど、どうしよう、、」
これから加州としばらくひとつ屋根の下。
考えれば考えるほど、七葉は今すぐこんのすけを呼び戻したい気持ちでいっぱいになるのであった。