第3章 本丸内探検
思ったんだけど、この世界ってキツネやマスコットはしゃべるのに小人さん?は喋らないんだね。
こんのすけ「さぁさぁ主様、さっそく資材を!」
「あっうん!そうだね!」
こんのすけに促されて鍛治職人に資材を渡そうとすると加州に腕を引き止められる。
加州「ねぇ、もう鍛刀するの?もう少し後でもいいんじゃない?」
何だかんだ不安そうな加州の様子に疑問を覚える。
「え?どうして?」
仲間欲しくないの?と問いかけると、加州は「主は、、、」と言って黙りこんでしまった。
こんのすけ「主様。いかがなさいますか?」
首をかしげて様子を伺うこんのすけと鍛治職人。
「ごめんね二人とも、鍛刀はまた後にするよ。」
加州の様子も気になるし鍛刀はまたにして部屋を出ることにした。
ちょっと気まずい雰囲気に何を話そうか悩んでいるとグゥ~と腹の虫がなる。
「あっ」
そう言えば昨日の夜からまだ何も食べてない。
そう思ったら一気にお腹が空いてきた。
加州「あははっ」
「もう、しょうがないじゃない昨日の夕飯のおにぎりから何も食べてないだから!」
盛大になったお腹の音に笑う加州を怒りながらも雰囲気が和んだ事にホッとする。
こんのすけ「では、そろそろお昼にいたしましょう。こんなこともあろうかと私いなり寿司を持参して参りました。」
「やったぁ!さすがこんちゃんw」
これから初めての釜戸でお米炊きをして、成功すればまだしも失敗した時を考えたらもう空腹の限界だったので嬉しい申し出だ。
こんのすけ「いえいえ、それでは私は取りに行ってまいりますのでお二人は先程の小広間でお待ち下さい。」
そう言うとこんのすけはくるりと回って来た方向へかけていった。
思いがけずまた二人きりになってしまいちょっと気まずい。
だっていきなりキスされたし、さっきも様子が変だったし。
加州「、、俺お茶入れてくるね。主1人で小広間行ける?」
「うん。」
加州「、、そっか。」
どうしたものかと悩んでいると、それを察したのか加州がお茶を入れに行ってくれた。
歩いて行く加州の後ろ姿を見ているとさっきは気まずかったのに何だか寂しくなる。
「なんでだろ?」
七葉は自分でもよくわからない気持ちを抱えたまま、小広間へと向かったのであった。