第31章 理由
加州「それは、、、」
答えにくそうな顔をしている加州に、七葉は続ける。
「それにね、前に、その、現実世界で少し話したと思うんだけど、私は一度このゲームをやってたの。あの時は画面ごしだったけど、出来ることならまた皆に会いたい。例え同じで違う相手だとしても、それでも皆に会いたいの。」
七葉はそこまで言うと、話すのをやめうつ向いた。
これはもう、私の我が儘だ。
しかし、それでも嘘をつくことは出来なかった。
加州はその言葉に、七葉の部屋での出来事を思い出す。
主はかつての仲間と、天下五剣の内最も美しいとされ、またとうらぶにおいて最も入手困難である刀、三日月宗近、その人を探しているのだ。
加州は黙ってしまった七葉を引き寄せると、自分の腕の中に抱き止める。
加州「主、、、主の気持ちは分かったよ。分かったから泣かないで。」
「えっ、あっ、、」
七葉は、加州に言われて始めて自分が泣いていることに気が付いた。
加州「もう、そんな顔されたら、顕現しないでなんて言えないじゃん。」
加州は苦笑いして、あやすように頬を撫で指先で涙をぬぐう。
そして、何かを決意するように一度息を吐くと、再び口を開いた。
加州「そっか、前の俺達も主に愛されてたんだね。」
「え?幻滅、しないの?」
その言葉に驚いて聞くと、加州は不思議そうに言う。
加州「何で?だって、主は俺達のことが好きだったから、また俺達に会いたいんでしょ?」
「そう、だけど、、でも、、、」
あっさりと受入れられたことに困惑していると、加州が続ける。
加州「確かに違う俺達かもしれないけど、同じ刀から顕現された同じ俺達だよ。」
加州はそう言って笑うと、頬に触れていた手を首にもって行きそのまま顎を押し上げる。
加州「ねぇ、主。俺、今すっごくキスしたいかも。」
「えっ、何で!?」
突然のことに驚いて聞くと、その問には返事はなくそのまま唇がふさがれた。
加州は、まるで愛しいものにするように甘く優しい口付けをすると、そっと唇を離し告げる。
加州「それが主の望みなら、俺が叶えてあげる。俺は、今の主の初期刀だから。」