第27章 にぎりめし
薬研「ちょと待て愛染ッ!!そいつは俺っちが大将のために握っ、、」
しかし薬研の静止もむなしく、開いていた口は無情にも薬研の声を聞く前に、ぱくりとおにぎりをくわえた。
愛染「んっ!?あっえ、あううああ、あええいいっえ、、、」
愛染は慌てて言い訳をするが、口いっぱいにほうばってしまったため何を言ってるのか伝わらない。
加州「残念だったね、薬研。」
呆然とする薬研に、加州はクスッと笑って言う。
その嬉しそうな声に、薬研は愛染の言葉が解らずとも犯人が加州だということに気が付いた。
薬研「旦那。どうゆうつもりか知らないが、喧嘩なら買うぜ?」
加州「先に売ったのはそっちだろ?カレーと肉じゃが、俺も食べたかったのに。」
鋭い薬研の視線に対し、加州も同じように視線をおくりバチバチと火花を散らしながら言い争っている2人の様に乱が怒る。
乱「もう、2人して!やるなら外でやってよ〆そんなんじゃご飯、食べれないでしょ!」
その声に、五虎退も続ける。
五虎退「そうです。主さま、その、困って、ます。」
五虎退の言葉に2人が視線を向けると、食事にも手をつけずあたふたとしている七葉の姿が視界に入った。
その様子に薬研は、七葉に近づき膝をついて、申し訳なさそうに言う。
薬研「すまないな、大将。昨日の礼に大将を思って作ったから俺っちの飯、食わせたくて。つい、熱くなっちまった。」
それにつられる様に加州もやって来る。
加州「俺も、ごめんね。主の得意料理、食べたかったから羨ましくて。」
しょんぼりし、反省している2人に七葉は微笑んでみせる。
「薬研、気持ちは嬉しいよ。できれば残したくないから、今度は普通の大きさでやつが欲しいな。加州も、私料理は得意だからまた作ってあげる。だから喧嘩しちゃ駄目だよ。」
そう言って2人の頭を撫でると、不意打ちの撫で撫でに桜が舞う。
え?そんな嬉しいの?
驚いて2人の顔を見ると、少し赤くなっていた。
乱「あれ?加州照れてる。」
加州「違っ、、、」
五虎退「薬研、兄さん、、お顔、赤です。」
薬研「気のせいだろ。」
愛染「お前ら、本当に仲良いな。」
和やかな雰囲気になったところで、今度こそ朝食をとる。
余談だが、愛染はその後改めて薬研に許可をもらい、投石握りをすべて完食していた。