第26章 朝風呂
「ちょっ、、、離、、して、、。」
七葉は、加州の腕から逃れようともがくがその腕が緩むことはなく、そのまま肩に加州の額が押し当てられる。
加州「ねぇ、主。薬研と一緒に現実に行ったってことは、主が眠る時薬研が主に触れてたってことだよね?」
湯着からのぞく肩を舐められて、思わず体がビクッと震えた。
「あっ、、やっ、、だ、、」
襲ってくる感覚に怯え逃げようとすると、強く肩を捕まれ今度は首元を甘噛みされる。
加州「俺は嫌?だったら、薬研ならいいの?」
「何っ、、言って、、」
言っている意味がわからず混乱していると、加州が続けて言う。
加州「主は、薬研のことが好きなの?俺のことは嫌い?」
予想だにしてなかった質問に、七葉はピタリと動きを止めた。
「そんなこと、、、」
加州「じゃあ、どうして昨日、俺じゃダメだったの?」
加州の言葉に、夕食後逃げるように粟田口の部屋に行ってしまったことを思い出す。
もしかして加州は、避けられて嫌われたと思ってしまったんだろうか?
加州「主は、可愛くしてても好きになってくれないの?じゃあどうしたら、俺は主に選んでもらえる?」
背中から聞こえる不安そうな声に、七葉は自分の気持ちを説明することにした。
「あのね、私、加州が優しくするから、また甘えて迷惑かけちゃいそうで。それで、加州から逃げたの。」
七葉の言葉に、加州は驚いて頭をあげる。
加州「それは、別に迷惑じゃ、、、」
加州は否定しようとするが、七葉はそれに首を振って話を続ける。
「優しくされるの、苦手で、怖くて、苦しくて。それで、とっさに逃げ道をくれた薬研に逃げたの。でもね、結局怖くなっちゃって、考えてたら寝れなくなって、今度はそれに気づいてくれた薬研に、頼っちゃった。」
七葉は、落ち込みつつ苦笑いをして言う。
「わざわざ加州を避けたのに、これじゃあ何の意味もないよね。やっぱり独りで、部屋に戻るべきだった。そうしたら、誰にも迷惑かけなかったのに。」
うつ向いた七葉に、加州が慌てて答える。
加州「そんなの、ダメに決まってるでしょ!」
そんなことしたら、またきっと主は独りで耐えようとしてしまう。
「でもそうしたら、少なくとも加州に誤解されたり嫌な思いをさせなくてすんだ。」