第25章 お揃い
薬研「、、寝言か。」
薬研は七葉が眠っているのを確認すると、そっと布団をかけ離れようとしたが、白衣の裾を掴まれているのに気づいて、動きを止めた。
「行っちゃ、、やだ、、」
ひどく幼い印象の物言いと、閉じている瞳から流されている涙に、薬研は思わず七葉を抱き締める。
そのまま、甘えるようにしがみついてきた背中をさすってやると、落ち着いたのか腕の中から規則正しい寝息が聞こえてきた。
薬研「まいったな。」
薬研はそう呟くと、自分にしがみついたまま眠ってしまった七葉を抱きよせる。
そしてそっと額に口づけ、髪を優しく撫でるようにすいた。
大将がいったい何を抱えているのか、それはまだわからない。
しかし、ハッキリした事が1つだけある。
それは大将が、本心を表に出すことを極端に恐れている、ということだ。
ただ、言えないだけではない。
それこそ命を捨ててしまうんじゃないかと、自害の可能性すら浮かんでしまった程に、好かれることに恐怖し、甘えることを許されないといった感じは切羽詰まっているようにも見えた。
恐らく踏み込んで引きずり出した本音から考えれば、眠っているの今の無防備な姿の方が本来の大将の姿なのではないだろうか。
薬研「苦しまなくてすむ方法、見つけてやれたら良いんだけどな。」
薬研はそう言うと、ベッドの近くに充電されていたスマートフォンに手をのばし、電源を入れてる。
左手で2つのマグカップの持ち手を握り、右手で七葉の左手をつかみ、その手でトップ画面の刀剣乱舞のアイコンをタップさせる。
すると辺りか光りに包まれ、二人はスマホの中に吸い込まれていった。