第24章 地雷
可愛いげが無い。
1人でも生きていけそう。
悩みが無くて羨ましい。
なにも知らないくせに。
そんな言葉を投げつけられる度、心を殺してそうあろうと努める癖がつてしまった。
「うん。でも、今更性格は変わらないよ。」
七葉は困った様にニコリと笑うと、そう言って別の棚へと歩いて行ってしまう。
薬研「もしかして、地雷だったのか?」
一瞬表情が消えたのに気づいた薬研は、すぐにそのあとを追う。
丁度近くの棚にアルファベットの書かれたマグカップを見つけて、屈んで薬研のYの字を探していると薬研に突然背中から抱きしめられる。
「薬研!?どうしたの!?」
驚いて振り向こうとすると、薬研に止められた。
薬研「大将、そのまま聞いてくれ。」
「、、、うん。」
薬研「俺っちは、大将が何かを望んだり、口に出したり出来ないことを知っている。加州の旦那にも気にかけるよう言われたんだ、旦那も当然気付いてるだろう。」
「、、、、、」
七葉は無言のまま体を強張らせる。
薬研は逃げる気配がないことを確認し腕を緩めた。
薬研「なぁ、俺っち達は大将の刀だ。大将の望みを叶えられること、大将の力になれること、それが俺っち達の幸せだ。だから、どんな無理難題を与えられてもいい。ただ、追いつめられて自害、なんてことだけはしないでくれ。」
その言葉に、七葉は何も言えなかった。
短刀であるが故に、主の意志で主を死なせる役目を負った刀。
それでも薬研は、切腹のため何度突いても腹に刺さらず、苛立って投げつけたら薬研を突き刺すほど切れ味が良かったことから、主を死なせない刀として有名になった。
しかし逸話とは裏腹に、自分が使われずとも死なせてしまった主や、真相はわからないが信長の自害もいつも持ち歩いていた薬研で行われ、そもまま薬研も本能寺にて焼失、の説が有力である。
薬研は、救えなかった主と同じように、七葉が吐き出せず溜め込んだもので押しつぶされ、いつか自害を選ぶのではと心配してくれているのだ。
もしも、もう少し早く出会っていたら。
そんなことを考えてながら、考えても仕方がないなと頭を切り替える。
「薬研、私はもう死んでるの。だからね、もう死ね無いんだ。」
薬研は、驚いて目を見開く。
薬研「どうゆうことだ?」
聞き返した問に返事はなかった。