第19章 小判の使い道
五虎退の言葉で、七葉はやっと自分の仕事量を心配されていた事に気が付く。
「あっそっちか!」
確かに現実での仕事に加え、アプリではタップするだけだった事が実際の行動が必要になったり、本来やる必要がなかった作業が増えたのは事実だ。
しかし寧ろ今までより近くで皆と過ごせる事の方がうれしくて、大変でもアプリからの操作よりゲーム内で行うことを優先したい。
薬研「悪いな大将、俺っち戦場は慣れてるがこうゆうのはからっきしで。」
乱「ボクも、何が何だかサッパリ。」
愛染「同じく。」
「平気平気。その内こうゆう事務的なこと得意な子も来るだろうしそれまでだから!」
申し訳なさそうな3人をはげますように、七葉は明るく言うと加州がため息をついた。
加州「はぁ、主は言い出したら聞かなそうだし。しょうがない、俺も手伝うよ。」
「加州は書類、苦手じゃないの?」
加州「俺、初期刀だからさ。こうゆうのも意外と出きるよ。」
「そっか、ありがとう。じゃあ少しお願いしようかな。」
加州の言葉に七葉がそう言うと、五虎退がオズオズと手をあげる。
五虎退「あの、僕も手伝います。その、雑用くらいしか、できないかも、ですが。」
「充分だよ、ありがとう。」
七葉は一生懸命答えてくれた五虎退の頭を撫でてお礼を言うと立ち上がった。
「はい、これでひとまず話はおしまい。さぁ皆そろそろ寝よう。」
乱「は~い。」
愛染「おう。」
五虎退「はい。」
薬研「あぁ。」
皆が返事をしてバラバラに行動し始めると、加州が近寄ってきて七葉に耳打ちをする。
加州「主、今夜は独りで大丈夫?」
「あ、、」
そう言えば前回本丸で寝た時は急に怖くなり、寂しくてつい沖田部屋に行ってしまったのだ。
七葉が固まっていると、加州が続ける。
加州「また、一緒に寝ようか?」
しかし加州の言葉に返事をする前に、薬研に声をかけられる。
薬研「何してるんだ大将?今夜は俺っち達の部屋に来る約束だっただろ?早くしないと置いてくぜ。」
「え?あっ、うん。ごめん加州、私粟田口の皆のお部屋にお邪魔するね。」
あれ?そんな約束してたっけ?と思いつつも七葉はその場を離れている。
残された加州の肩を、愛染が励まするうにポンと叩いた。