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フタゴイロ

第4章 放課後の黒い悪魔





やっと一日の授業がすべて終了した。
いつも以上にぐったりとした気がする・・・

「さっさと帰ろう・・・」

放課後は特に用事もないので
だらだらと机の中の教科書やノートを鞄に仕舞っていく。
その作業でさえもなんだか面倒に思えてくるあたり、
やはり今日の自分は相当疲れているのだろう。

帰る支度を整え、さっさと下駄箱へ移動しようと
教室の出口へ足を向けたとき・・・

嫌な気配を感じた。
これはきっと気づかないフリをしたほうがいいと
本能的に悟った。絶対にいい事はないだろう。

とりあえず、細心の注意を払いつつ下駄箱へと向かった。

「なんだろう・・・冷や汗が止まらない」

きっと疲れすぎたのだろう。
今日は親も遅くなると言っていたので
さっさとお風呂に入って寝てしまおうと心に決める。


「紋、何してんの?」

「・・・空耳空耳」

悪魔の声が背後から聞こえてきた。
やはり嫌な予感というのは当たってしまうようだ

聞こえないフリをして昇降口を出ようとすれば
右手首に人の手の感触が・・・握られている。

「は、放してください」

「無視して帰ろうとしないなら」

ジロリと声の主へ視線を向けると
魔王の笑みが見えた。うわぁ黒いのがキラキラしてるよ!

捕まってしまえば逃げるのは不可能だと悟り
ほぼ諦めの状態で長い溜息をついた。

「何か用事かな、叶多」

「いい返事だな」

早く解放してください。


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