第2章 恋が芽生える時
コレは、ある小さな恋が芽生えるとお話し。。。
ヴァリアー邸。
幹部会議をしていた。すみれは、話しを聞かないで爪の手入れをしていた。まぁ、そんなことは日常茶飯事。
「今回の、報告会議は、これにて終了だ。ルッスーリアは、レヴィと一緒に、任務に出ろ!いいな!!」
会議も終わり、爪の手入れも終わったすみれは、手を大きく前に出して、背伸びをした。
「んーっ!終わったぁ!だるかったぁー。」
ねぇー、聖羅。と、隣を向くとうつ伏せのまま動かない彼女がいた。ツンツンと、突っついても、コショコショと、擽っても起きない。
「まるで、生きた屍のようだ!」
と、すみれは冗談を言いながら、笑う。しかし、彼女は本当に動かない。
流石に、心配になってきた。
「聖羅?」
そこに、ベル、フラン、スクアーロ、ルッスーリアがやってきた。
「あらん?すみれ?聖羅、どうかしたの?」
「それが…動かないの」
「お前がなんかしたんじゃねぇの?シッシッシッ」
「バカ王子は、黙っててくれる」
「バカ?!」
「あーあ、ダメですよすみれさん…ホントのこと言ったら」
「なんなの、お前ら刺し殺す」
そんな会話をしている間に、ルッスーリアは聖羅のおでこに手を添える。
「アッツイわぁ!」
「え?」
「聖羅、熱あるの?」
退いて。と、ルッスーリアを遮り聖羅を起こすと、本人は辛そうな顔をしていた。
「バカ、なんで言わないのよ」
「私、ジャパニーズおかゆでも作るわん」
「ありがとう、ルッスーリア」
「おい、ルッスーリア。お前、これから任務だろうが」
忘れられていたスクアーロが、口を挟む。。。
「あ、そうだわ…忘れてた」
「忘れてただとぉぉぉお!?さっき、言ったばかりだぞ?!」
「ごめんなさいね、話し聞いてなかった訳じゃないのよ?」
「大丈夫、私は『今回の、会議は、これにて終了だ』しか、聞いてなかったから」
「なにが、大丈夫なんだぁぁぁぁあ?!」
「大丈夫ですよー。ミーは、なにも聞いてません」
「同じく。シッシッシッ」
爽やかに親指を出す3人に、スクアーロの怒りは、止まらない。
「よぉぉし、分かった。そこに、なおれ一人ずつ刀の錆にしてやる」
怒るスクアーロを、みんな完全無視していた。