• テキストサイズ

イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第18章 くりすますをあなたと(三成)


その夜、夕餉の食卓には、愛が試行錯誤したクリスマスディナーが並んだ。


『頑張ってみたけど、これが限界かな…
口に合うといいんだけど…』



三成は膳が並べられた部屋に招き入れられ、
色とりどりの料理に素直に驚いた。



『これは!凄いですね!
全て愛様がお作りになられたのですか?』


鶏肉のグリル
マッシュポテト
鶏団子で作ったスープリゾット
リースの形のドライフルーツのケーキ


現代風に言えばそうなるかな…と愛が説明する。



『味付けは、そんなにいつもと変わらないかも…
出来る限りの西洋風にはしてみたんだけど…』


自信のなさそうな愛の言葉に、
三成は大きく被りを振る。



「いえ!素晴らしいです!
どれもこれも、普段は見ないような彩りと盛り付けです!
それに、とっても良い匂いがしますね。
早く食べましょう!」

食に関心の無い三成が、子供のように目を輝かしている姿に、
愛は嬉しさがこみ上げて来ていた。


『うん!じゃあ、取り分けるね…
あ、その前に…』


愛は信長から貰った、ぶどう酒を綺麗なグラスに注ぐ。



「見たことのない盃ですね…」



『実は、お料理作ってたら、信長様の使いの方がいらっしゃって、
《信長様からのくりすますぷれぜんとです》って置いて行ってくれたの』


南蛮からの贈り物であろう、ステンドグラスのようなワイングラスに
丁寧に葡萄酒を注いだ。


一つを三成に手渡すと、


『クリスマスの乾杯は、メリークリスマス!って言うんだよ』


そう言って微笑む。


「わかりました。では、せーので言いましょうか」


グラスを受け取ると三成が言う。



「せーの…」



《メリークリスマス!》



二人は顔を見合わせて笑う合う。
一口、口に含めば、葡萄の香りと少し甘い口当たりが
更に幸せな気持ちを倍増させた。



『さぁ、どうぞ、三成くん』


取り分けた料理を三成に渡す。


「この鶏肉は、香ばしくてとても美味しいですね!
雑炊も…りぞっと?でしたっけ…優しい味がして、大好きです!」


普段は味の感想をあまり言わない三成に、
愛は心からホッと安心した。
/ 773ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp