• テキストサイズ

イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第18章 くりすますをあなたと(三成)


宣教師は、少し早いクリスマスプレゼントだといって、
様々な西洋の品を置いて帰った。


「愛、大儀であった」


信長は満足そうに品々を眺めながら言う。



「好きなものを持ち帰るが良い。
今日の褒美だ。遠慮はするな」



そう言うと、愛を品物の前と促す。



『宜しいのですか?珍しいものばかりなのでは…』



そこには、綺麗に彫刻されたロウソクが並べられている。



「これは蝋で出来ているのか」


政宗も珍しそうに手に取り眺めている。


『綺麗だよね。じゃあ、お言葉に甘えてこれを頂いてもいいですか?』


愛は赤い薔薇に彫刻されているロウソクを手に取った。


「貴様はそれを選ぶと思った」


そう言うと信長は優しく笑った。


『クリスマスらしくて…ちょうどよかったな。
信長様、ありがとうございます』



「おい、愛」


少し機嫌の悪そうな政宗が声をかける。


『なに?』


「お前は、キリスト教徒なのか?」


『え?違うよ?』



「それにしては、くりすますに随分詳しかったな」


信長も不思議そうに訊いた。



『私がいた時代では、キリスト教じゃなくても、
クリスマスは年に一度の大きなイベント…えっと、催し事だったんです。
街は、色とりどりの装飾が施されて、クリスマスには食べ物屋で限定のものが出たり、
甘味屋では必ずケーキというものを売り出して、みんなで食べたり…
恋人とは特別なデート…逢瀬をしたり…
何をプレゼント…贈り物しようか随分と前から悩んだりして…』


「なるほどな。そんなに大切な日になっているのか」


『そうだね。日本人でキリストに感謝をしてる人は少ないかもしれないけど、
クリスマスはやっぱり特別で、大切な日だったな…』


愛は、遠い日を思い出すような、懐かしいような、どこか寂しそうな顔で笑った。


「そうか。ところで、貴様は何か用事があるのではないか?」


『あ!大変、私もう準備しないと、待ち合わせに遅れてしまうので…』


信長の言葉で急に現実に返ったように慌て出す。



『こんなに素敵なもの頂いて、ありがとうございました!』


そう言うと、ロウソクを大切そうに抱えて広間を後にした。
/ 773ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp