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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第3章 彼と私の秘密の言葉(三成)


「秀吉さん、おはようございます。お邪魔します。」

ここは秀吉の御殿。
この五日ほど、政務に忙しい秀吉の手伝いの為に、
朝と夕刻に御殿にいる事が多い。


本当は、三成にも逢えるはずなのだが、
残念ながら、部屋にこもりっぱなしで
逢えない日の方が多い。

『おう、愛か。
おはよう。昨日は大分遅くまで仕事させてしまって
悪かったな。良く眠れたか?』


「うん。私は大丈夫。
秀吉さんも。ちゃんと寝てる?」


『俺はまぁ、いつも通りなんだが…。
お前昨日三成に逢えたか?』


「ううん、2日逢ってないよ…。
まぁ、三成君的には5日は逢ってない、が正解かもだけど。」

そういうと、愛は途端に哀しい顔になる。


『そんな顔するな。全くあいつも鈍感だからな。
部屋もたまには見てやってくれよ。』

正直、愛は三成との距離感を掴めないでいた。
きっと、想いは通じ合ったと思う。

けれど、三成は何事にも一生懸命なため、
一度やる事を決めれば、終わるまでは周りが見えなくなってしまう。
今更の、周知の事実だ。

「うん…。でも、本当に気づいてもらえないと
結構精神的にやられるんだよね…あハハっ…」

力なく笑う愛。
そう。書簡に目を通している時も、参謀として策を練っている時も、
兎に角没頭している時の三成は、愛に一切気づかない。

最初の三日間は、三成の顔だけでも見れれば…と、
任された書物の整理や、文の届けの合間に、
三成を訪ねてみたけれど、一度も言葉は交わしてなかった。

(きっと、私が行った事すら知らないだろうな…)

そんなことを思うと、さすがの愛でも、
自分の存在意味がわからなくなってきて、
三成の部屋を訪れる事が怖くなっていたのだ。

『明日には、このバタバタも落ち着くだろ。
視察に行っている政宗と家康も帰って来る頃だ。
明日は2人も呼んで飯にするか。」

愛を励まそうと、優しくそういうと、
『いつまでもそんな顔するな』と、愛の頭を
クシャクシャと撫でる。

「う…ん。。」

愛は、どっちともつかない曖昧な返事をしながら
目を伏せた。

秀吉は、そうしながらも複雑な心持ちで苦笑いをする。

『いくら三成でも、あんまり愛を悲しませるなら、俺が奪っちまうぞ?』



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