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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第15章 勝手な我儘(政宗)


「おはようございます!」


今日も針子部屋に愛の元気な声が響く。


『愛様!今日はもう此方でのお仕事はなかったはずでは?』


昨日までの大量注文を、針子のみんなで頑張って、
今日は漸く暇になった。
だから、いつもはひしめきあってる針子たちもまばらだ。


「皆さん昨日までお疲れ様でした。
今日は漸くゆっくりできますね」


愛の笑顔が針子たちも笑顔にする。



『本当に、愛様がいらっしゃらなかったら、
終わらせられたかわかりませんでした。
愛様もお疲れ様です』


いつもの席に着けば、早速愛は反物を広げる。



『あら、まだご依頼物ですか?』



綺麗な群青の反物を愛おしそうに広げる愛に、
針子たちが集まってくる。



「いいえ、今日は政宗の着物を…
今朝、整理していたら少し古くなったものが多かったので」


『政宗様からのご依頼でしたか。
それにしても、鮮やかで素敵な反物ですね』


針子達は口々に、愛の選定眼を褒める。


「依頼じゃないんですけどね。
今日は時間がありますからそれに、一人で作るよりも、
皆さんとおしゃべりしていた方が楽しいんですよ」


そう言って、針子達を見渡す。



『こんなに色んなことをして下さる愛様がいて、
政宗様は、本当に幸せ者ですよね。
政宗様も、愛様が一番みたいですし…
それにひきかえうちの旦那は…』



針子仲間でも一番仲の良い千春が大きなため息をついた。


「何かあったんですか?」


急に顔の曇った千春に、胸がざわついた。


『いいえ。何もありません。
私が料理を作ろうが、着物を新調しようが、あの人は一切興味がないんですよ。
全く…こんなにしてあげてるのに、感謝の一つも口にしません。
私も政宗様のような方と夫婦になりたかったです』


そう言うと、盛大にため息をついた。
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