第14章 あなたへの恋文(家康)
オマケ
『もう、休みだって言ってるのに…』
家康が戻った翌日、宴を開くと政宗が呼びに来た。
安土城の天守で開かれた、七人だけの宴。
政宗の豪華な料理が並ぶ。
「わぁ!!美味しそう!やっぱり政宗の料理は凄いね!」
家康の不満をかき消すように、愛が隣ではしゃぐ。
「ほら、いっぱい食えよ。
お前、家康がいない間、あんまり食べてなかっただろ。
ただでさえ華奢なのに、それ以上痩せてどうする」
政宗の温かい言葉が降る。
その言葉を聞くと、おもむろに家康が愛をギュッと抱きしめた。
「な、なに!」
狼狽えたのは愛だけじゃない。
『お、お前何してるんだ、信長様の前だぞ』
秀吉が焦った声を出す。
『どのくらい痩せたか確認してるだけです。
確かに、昨日脱がした時にも思いましたけど』
「ちょ、ちょっと家康!」
顔を耳まで真っ赤にする愛に構わず、
家康は目の前の料理を取ると、愛の口元まで持っていく。
『はい』
「え?え?」
『俺の愛が、抱き心地悪くなったら困るから。
はい。口開けて?』
「じ、自分で食べれるから」
目の前には、顔をを真っ赤にした秀吉と、
面白そうに笑っている政宗と光秀、そして信長。
『おふたりは本当に仲がいいんですね』
ニコニコと言う三成。
『当たり前だろ、こんなに愛しいのは愛だけだから。
三成、今後俺の許可なく愛に近づくなよ』
「家康、貴様が愛するその女は俺の持ち物だぞ」
信長が面白そうに言う。
『そうかもしれませんけど、愛が好きなのは俺だけなんで』
もう穴があったら入りたい…
目を白黒させる愛の腰をぐっと抱き寄せる。
『いい加減にしろ、家康!』
秀吉が大きな声を出すが、家康は動じない。
『秀吉さんが言ったんですよ。
素直な気持ちは言わないと後悔するって。
もう、そういう思いしたくないんで』
平然としている家康の甘やかしに、
愛は料理の味なんかひとつもわからないのだった…。
オマケ 終