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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第9章 アイ(家康)


オマケ


〜春日山城〜


『おい、佐助、今日はアレ着て、めかし込んで来るんだろ?』
幸村が面白そうに言う。

「いや、アレは…まずい気がする。色々と…」
佐助少し浮かない顔をする。

『何でだよ、こんな時じゃないと着れねーじゃねーか』

「そうなんだが…」

『まさか、汚すとか思ってんのか?』

「いや…そうじゃない」

『じゃあ絶対着てこいよ!あいつもその為に作ったんだろうから』

佐助は少し思案顔をするが、暫くすると

「そうだな…。俺のために作ってくれたんだからな…」




夕刻、佐助の誕生会が開かれる。

「佐助はまだか…」
謙信はあからさまに不機嫌な声を出す。

『まぁまぁ、主役ってのは遅れて登場するもんだ』
信玄が宥める。

『そろそろ来るんじゃ…あっ』
幸村の声に全員反応する。

家臣達からは、
《おおっ》と声が上がる。

《佐助樣、素敵ですよ!お似合いですね!》
宴の準備をしている女中達からは黄色い声もあがった。

そこには、愛からプレゼントされた晴れ着を着た佐助。
何時もの忍びの姿から一変し、誕生日の主役が着ているのは、
鮮やかな緑に、桜の刺繍が丁寧に施された宴用の晴れ着だ。

『これは…とても似合っているが…妬けるな』
謙信を宥めていた信玄も顔をしかめる。

「おい、佐助。その布でお前にやる刀の切れ味を確かめさせろ」
謙信は先程より更に冷たい声で言う。

『佐助、すげーじゃん!それ本当にあいつが縫ったのか?!
俺も作ってもらおうかな』
幸村が言えば、近くで鞘に手をかける音がする。


「謙信様。さすがにそれだけは。愛さんが悲しみます」
佐助は晴れ着の華やかさが浮いてしまうくらいの表情で言う。


「そうだな。今日は主役の言うことは聞いてやる。
そして、朝までたっぷり飲ませてやる」


(今日の宴はやはり荒れそうだな…)


佐助は、この晴着を羽織った時からの覚悟を再び再確認したのだった…。




オマケ 終
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