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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第9章 アイ(家康)


ある日の大広間でのこと。
織田軍は二つの問題を抱えており、
そのための軍議が開かれていた。

なぜか信長に呼ばれていた愛は、
武将たちのお茶を入れたりしながら、
隅にチョコンと控えていた。


「三河の近くで、大名同士の諍いが起きそうだという報告が
斥候から届いています」

家康の報告を聞き、信長は
『そこの大名はお前の知った仲ではなかったか?』

「そうですね…知り合いではあります」

『よし。では、その諍いの話が誠かどうか、
貴様が行って確かめろ』

「言われなくてもそのつもりです」

『相変わらず一言多い奴だ。政宗お前も行け』

「はっ」
政宗が返事をする。

(諍いかぁ…本当に起こるようなら、小さな戦になるのかな…)
愛は聞きながら、家康が戦う事にならないようにと祈る。

「それと…もう一つ、上杉側についていた大名との協定が成功しそうですが、
実際にどの程度信用できるかの確認が必要かと…」

続けて光秀が報告する。

『ほう。よく寝返る決心がついたな』
信長は、面白そうに言う。

「三成が色々と策を練り、秘密裏に交渉を進めて参りました。
今までは文での遣り取り故、ここは最後に現地に入ってみるのも一手かと」

光秀は三成と目を合わせ、お互いに無言で「うん」と首を縦にふる。

『場所は春日山の近隣だったな?
そこが織田と協定を結べれば、かなり使えるな』

信長はニヤリと不敵な笑みを溢し続ける。

『上杉には特に動きはないのか?』

「えぇ。ただ、実際に現地に入るとなれば、察知される可能性はあります。
そこで一つ案があります」

光秀もまた不敵な笑みを携える。

『なんだ、言ってみろ』

「その土地は、湯治で有名な温泉地が数ある場所ですので、
大々的に視察というよりは、三成と誰か、少人数で旅を装ってみてはと」

『ほぉ?で、誰が適当だと?』

光秀は、信長に促されると、真っ直ぐに愛を見る。
ボーッと聞いていた愛は、突然目線のあった光秀に驚き、

「えっ?わ、私?!」
と、素っ頓狂な声をあげる。

『!…いや、愛に危ない旅はどうかと思いますけど』
家康が慌てて声をあげる。

「武将だけで行けばあからさまに怪しまれますが
織田の姫の気まぐれな旅という表向きなら入りやすいかと」

光秀は飄々と言ってのける。

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