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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第1章 ワームホールはすぐ側に(家康)


褥に入った途端に、盛大な睡魔に襲われた。
疲れているのもあったが、
思考がこれ以上考えるなとも言っているようだった。


目を瞑り、ついさっきの事を思い出す。
やっと逢えた恋人は、
胸をえぐるような酷い言葉を放った。

天邪鬼な彼…わかってる。
もっと自分が配慮しなきゃいけなかったんだ。

でも、〈帰った方がよかったんじゃないの…〉は
流石に堪えた。

もしかしたら、その位本当に思われてるかもしれない。
本当に、面倒くさいって思われたかも…
あぁ…今は考えるのはやめよう…
マイナスの考えしか出てこないから。

そう思っているうちに、愛は
深い眠りへと吸い込まれた。





『愛…愛…』

ふと顔を上げると、誰かが自分を探しているようだ。
声の主は見えない。

『愛…』

声の主は靄がかかって見えない。

(懐かしい声がする…)

見えなくてもわかる。

(ヒロトだ…)

「ヒロト…何処にいるの?」

『此処だよ愛』

声の方を向こうとすると、
誰かにフワッと後ろから抱き締められた。

『此処だよ。』

「ヒロト…ごめんね…。
私…私のせいで…。」

止めどなく溢れる涙を拭くこともせずに…。

『愛のせいじゃないよ。
俺の方こそ、最後に優しい言葉も言えずに
いなくなってごめんな…。
ずっと気がかりだったんだ。
辛くさせたまま、いなくなってごめんな…』

(ヒロト…)

どうにかして顔を見たいのに、
後ろから抱き締められたまま動けない。

「ヒロト、顔見せて…」

そう願っても、

『いいんだ。このままがいい。
お前は、今を生きてるんだろ。
振り返るな。大切なもの手放すなよ…』

その声は優しく微笑んでいるんだと感じた。
顔が見えなくても。

「ありがとう…」

そのまま意識は途絶えた。
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