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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第6章 恋の試練場 後編


「おい、家康、秀吉によく効く薬出してやれよ」
政宗は必死に笑いを堪えながら言っている。

『そんな便利な薬、あるわけ無いでしょ…』
(失恋に効く薬なら、俺が欲しい…)

「家康…秀吉さんそんなに悪いの?」
愛が心配そうに家康を覗き込みながら訊く。

『おい、勝手に病人にするなよ?』
少し怒り気味に秀吉が言うと、

「そんなに興奮されたら、お身体に障りますよ」
と、大真面目な三成。

『お前のせいだけどな、三成』
政宗も三成に負けじとふざけて真面目な顔をする。

「え?どういう事ですか?」

キョトンとする三成に、秀吉を本気で心配している愛。

『あんたたちの、のほほんとした告白聞いてたら、
居た堪れなくなっただけ』

「ぬ、盗み聞きしてたの!!」
愛が勢いよく起き上がり、顔を真っ赤にして怒る。

『愛様、お身体に触りますよ』
三成が愛の背中を摩りながら落ち着ける。

『それに…』
と、いつものエンジェルスマイルで三成が続ける。

『盗み聞きというのは、知らないうちにこっそり聞かれてる事を言うのですよ』

愛が、訳がわからない…という顔をしていると、

『お前…俺たちが聞いてると知っていて、わざと…』
政宗が身じろぐ。

『悪趣味…』
家康が苦虫を噛み潰したような顔で言呟く。

秀吉はただバツの悪そうな顔をしている。

『ただ…秀吉様までいらっしゃるとは思いませんでした。
お二人の気配はすぐにわかりましたが、
さすが私がお仕えするお方です』

と、本当に感心したように言う三成に、
さらにバツが悪くなってしまう秀吉。

「うそ…三成くん…人に聞かせるために…言ったの…」
愛はと言えば、泣きそうな顔で俯いている。

慌てた三成は、

『聞かせるためではありません。
愛様にお伝えしたことは全て私の本心ですよ。
私は愛様の事をお守りしていかなければなりませんからね。
心にもない口づけを、私はできませんよ』

そう言うと、愛の頬に触れ

『愛様を一時でも哀しませてしまい、申し訳ありませんでした。
さぁ、横になりましょう』
と、優しく横たえる。

「ううん。ごめんね。ありがとう」
そう言うと、ゆっくり横になる。



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