第83章 ホワイトデー
「伽羅ちゃんは形を整えたら出来上がりだね。一期さんは固まったら切れば良いし、長谷部君は焼き上がりを待つだけだ。僕も後は飾り付けだけだし…うん、良いね。」
順調に行って良かったよ、とチョコレートに網の様な模様を描いていく。
刀であった頃には、こんな事をするなんて考えられなかったですな。刀が料理を、なんて。畑仕事や馬の世話もそうですが、鶴丸殿では無いですが、驚きの連続です。
「主殿が喜んで下されば良いですね、渡すのが楽しみですな。」
「俺も主が泣いて喜ぶ様な夕食を作るぜ!きみ達も楽しみにしてろよ?盛大に驚かせてやろう。」
「さて、そんなら俺も主に肩叩き券とか作るかな。」
子供振るなよ!と笑いながら小突く鶴丸殿に、俺っち短刀だからな!と可愛らしく言っみせる薬研は何だか懐かしい。