第83章 ホワイトデー
「………見ていて面白いか?」
「はい、何かが出来上がる過程は見ていて面白いですな。それに、皆さんも楽しそうです。」
「主ちゃんに贈る物を作ってるからね、ほら、長谷部君だってこの顔だよ。」
紙型に少しずつボールの中身を入れながら、燭台切殿を睨む長谷部殿。ふふ、今の皆さんを本丸の者が見たら驚きますな、それ程に穏やかな表情ですぞ。
「大倶利伽羅殿は、そのずんだで何を?…それは何ですか?」
レンジから餅の様な白い物を取り出し、砂糖を混ぜている。
「求肥だ、包む。」
包む?
「…ずんだ。」
「さっき伽羅坊は、クリームをずんだ餡で丸めて凍らせていたな。それを求肥で包むんだろう?」
「大福か!大倶利伽羅の旦那はそんなもんも作れるんだな。」
伊達の方は元の主の影響なんでしょうな、料理が上手くて羨ましいものです。