第80章 特別
「皆、ただいま。はい、主ちゃんからのお土産!今日は彼女を独り占めにしちゃって悪かったね。」
朝から主と出掛けていた燭台切が、そう言いながら紙袋を渡してくる。
「何だ、光坊はやけにご機嫌だな?」
「鶴丸殿、野暮な事を聞く物では無いですよ。聞いても嬉しくありませんしね。」
全くだ、そんな事知りたくもない。
そう思っていると、後ろから腰に腕が巻かれ抱き付かれる。
「…主?」
「………ただいま、長谷部。」
背中に頭を擦り付けたまま離れようとしない。何があったかは‥まぁ、あいつの事だ想像はつく。
「主、お疲れではありませんか?少し休まれては?」
「大将、部屋で少し休めよ?本丸の奴等も話したい事があるって言ってたからな。」
こくり、と頷いた感覚を背中に感じて、そのまま手を引いて部屋へ戻る。