第79章 愛のカタチ
「列の一番後ろにある、大きいソファーがカップルシートなんだって。」
スクリーン5、と書かれた大きな扉を押して中へ入ると、予想以上に暗い。
足元気を付けてね?そう言いながら進むちゃんに続く。さっき抱き締めてから、僕の手を引く手が熱い気がするけど、間違いじゃないよね‥
「うーん、暗くて目がまだ馴れないや。」
「大丈夫かい?僕もあまり見えてないな。」
二人して鳥目だね、なんて笑ってソファーに腰を下ろす。目を擦り辺りを見回すと、平日だからか人は疎らだ。
今はこんな風になってるのね、と嬉しそうに話すちゃん。
可愛くて、つい大袈裟によしよし、と頭を撫でると、もう小さくないんだからね!と僕の手を掴む。