第78章 所有印
部屋を出ると、居間はしんと静まり返っていた。
洗った食器や誰も居ない風呂場、勿論、の部屋も蛻の殻だった。
「あれ?ちゃんと伽羅ちゃんは?食器洗ってあるし、夕食は食べたんだよね?あ、おやつも食べてくれてある。嬉しいねぇ〜」
「あの腕白なさんがこんなに静かにしていると思えないのですが‥」
「なら、また猫部屋で遊んでいるのか?」
猫部屋の扉を開けた長谷部が固まる。
「おお!戻ったんだな、良かったじゃないか!……にしても、良い格好だな。俺もひとつ添い寝を‥」
摘まみ出された鶴丸の旦那の脇から中へ入ると、そこには大倶利伽羅の旦那と、元に戻ったの姿があった。
大倶利伽羅の旦那に腕枕されて、腕の中ですやすやと眠っているの姿が。