第78章 所有印
「そういえば、さっきの蚊ってのは…」
「あぁ、大丈夫ですよ?夕食が終わったらちゃんとお話しますから。ね、薬研。」
にこりと一兄が笑う。
「‥まぁ、気持ちも解るからな。穏便に行こうぜ?特に、長谷部。」
「はぁ‥解った。とにかく主達が起きて動き出す前には話を済ませたい。早く食えよ?」
食事を始めたが、いつもと変わらない。
もっと重い話なのかと思ったがそういうわけではないのか?とにかく、話をすると言う一兄の口から聞いてから考えよう。
「…大将はいつになったら戻るんだろうなぁ。」
俺達全員がそう思っている筈だ。はぁ、と誰かが小さく溜め息を漏らした。