第77章 幼心
「俺の知ってるは辛い思いも沢山した、でもその分、俺達との思い出も沢山持ってる筈だ。」
それを捨ててまで、今からやり直したいか?苦しかったからこそ、幸せが嬉しかったんだろ?
「俺達との今までも無しにするのか?」
「……………。」
光忠や一期ー振は、見た目だけに影響が出たと言った。
丸っきり記憶が変わる様なら、政府が黙っていない。なら、元の意識はこの身体の深くに沈んでいる筈だ。
俺達が戻って欲しいと思ってる今、何も変化が無いのは自身がそれを拒否してるからなんじゃないのか?
「……戻って来たらどうだ、皆があんたを待ってるぞ。」
背中を撫でてやれば、首に腕を巻き、小さく呟く。