第77章 幼心
「……行かなくて良かったのか、買い物。」
「へ?うん、伽羅ちゃんと居る。」
俺は傍に居る。
ここまで来たんだ、買い物なんかすぐだし別に離れてるわけじゃない‥
子供の言う事に一々深く考え過ぎか?
「伽羅ちゃん、ここ来たくなかったんでしょ?けど無理矢理来させちゃったから。ごめんね。」
仔猫の入ったケースを見ながら、うちに居た子は何てお名前?と聞く。
子供ってのは、こんなにしっかり周りを見聞きしてるもんなのか、と感心する。
…反面、さっきの国永の結婚云々で、ずっと居ても怒られないを強調したり、周りの反応に敏感になる様な生活をしてきたのかと思うと、少しばかり胸が痛んだ。