第75章 花浜匙
それからしっかりと固定した箱をレンジにかける。時間はどの位だったか?
取り敢えず様子を見ながらやってみるか。
「なぁ、光坊はさっきから何を作ってるんだ?チョコレートの焼き菓子か?」
「あぁ。前‥ほらバレンタインにさ、僕も本丸へ帰ったら何か作って主ちゃんにあげようと思ってたんだ。けどこの状態だろ?だから、今それを作ってるんだよ。」
ザッハトルテ、と言って掌サイズの型から器用にスポンジを抜いていく。
ほぉ、流石上手いもんだな、俺は料理は出来るが菓子は作れん。ジャムを塗りながら重ねていくのを見てるのは面白いもんだ。
「鶴さん、いいの?レンジ。」
「おぉっと!そうだった。」
レンジを開けて重ねた箱を取り出す。