第74章 君がため
あれから、鶴丸、一期ー振、薬研の三人が、買い物へ行きたいと言い出して、地図を片手に出掛けていった。
あいつ等も何か思い付いたんだろう。
燭台切はさっきから小鍋片手に何か作っているし、大倶利伽羅は猫の手入れをする、と言い出して主を連れて猫部屋に籠った。ま、大倶利伽羅はいつもと変わらん。
「燭台切、何か思い付いたか?」
「んー?僕はほら、ここじゃ料理するくらいしか出来ないし、主ちゃんに美味しい物作ろうかなって。」
「そうか…」
俺に何が出来るだろうか。
考えてみれば、俺はいつも主にしてもらう側だ。この懐中時計を貰った時も曲を貰った時も、この前のチョコレートもそうだった。