第73章 帷
「ごめん…僕達、笑って欲しいって、軽く言ってたよね‥」
謝ると、頭を撫でて大丈夫だよと笑う。
「みっちゃん!ほら、笑わないと格好いい顔が勿体無いよ?‥ね?私の大好きなその格好いい顔、もっと良く見せて?」
僕の頬を両手で包む。
自分だって涙が止まらないくせに、狡いなぁ‥
背中に回していた手を引き寄せて、そのままちゃんに口付けた。
「っ…は、しょっぱい。」
「ふふ、ちゃんもだ。」
ぎゅっと抱き締めて背中を撫でる。
もう笑ってて、なんて言うのはやめよう。僕がちゃんを笑顔にするんだ。
二度と泣かせないように…