第73章 帷
「…み、つただ‥?」
近付いて手を伸ばすと、しまってあった布団に包まったちゃんが手を掴んだ。
「こんな所でどうしたの?大丈夫?」
布団ごとちゃんを抱き締めると、何も言わずに、腕の中で声を殺して泣く。
「、大丈夫だよ。僕が居るからね?もう泣かないで。」
暫く背中を撫でていると、少し落ち着いてきたのか、震えが収まってきた。
「ねぇ、どうしたんだい?こんな所に居たら風邪を引くだろ?」
「…ごめんなさい、薬がなかなか効かなくて‥」
薬…?
昼間、長谷部君が図書館で探していた薬の本と何か関係有るのかな‥